こめかみひょうひょう
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こめかみひょうひょう

雁須磨子

雁先生のワールドが味わえる

2020年9月12日
雁先生の2004年から2010年の間の作品集です。表題作が90ページまであって、残りに7作品入っています(3ページの作品もあります)。表題作がとてもいいですが、「光る男」の冒頭の「どっかでつまづいて、すっころんで泣きゃあいいのに」という言葉が「うそつきあくま」でも雁先生がそのようなことを書かれていたなあと思いました。男同士だから優しくしてあげられない、すっころんで泣いたら大事にしてあげれるのにっていう気持ちがすごく不器用で、でも愛あるなって思いました。「本日はお疲れの御様子」もよくて、探り合いみたいなところから逃げて追いかけていくまでのところが絶妙で、雁先生独特の心地好い余韻のある終わり方でした。エロはさっぱりしてるし、きゅんきゅんとかもとも違う、フフッて感じに笑えて静かに浸れる作品集だと思います。キャラは最近のものより見た目カッコイイかも。2010年3月 総194ページ 修正=見えない構図。
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