華麗なる偽装結婚
」のレビュー

華麗なる偽装結婚

鳴瀬菜々子

どんなに擦りきれた中古品でも

ネタバレ
2020年9月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ やっぱり、中身はどんなに擦りきれた中古品でも、キラキラした見た目のブランド品に惹れるのが、女性の性と思わせてくれる作品。
同じような見た目なのに、女性に誠実な男性ではなく、色んな女性に所有されて使い古された男性を選ぶとは、やっぱり、使い回された、性的な魅力に溢れたジゴロに惹かれる悲しき女性の性の見本の物語。自分だけを見てくれる、女性に誠実な男性が理想なんて、建前でしかない女性達に溢れたハーレクインの和製バージョン。
性的に奔放でフェロモン溢れた遊び人ヒーローが、実は育った環境ゆえに愛を知らず、ヒロインと出会い、意識してるのに、ごまかし、必要に迫られて、ヒロインに偽装結婚を持ちかけて、その過程で、ヒロインにはまり、真実の愛に目覚め、実は前からヒーローを好きで辛くなって逃げ出すヒロインを追いかけて真実の愛を今度こそ二人で誓うとか、ハーレクインど真ん中の展開。
魅力溢れたヒーロー像を描きたいのだろうが、ハーレクインヒーローに嫌悪感を感じる人には、うげっとなるようなヒーロー。偽装とはいえ、結婚式当日に控え室に元カノを入れて濃厚キスを交わし、やっぱりヒロインしか欲しくないとか、俺様発言。そして、それを運悪く見てしまうヒロイン。ハーレクインの気持ち悪い俺様ヒーローそのままで、日本的な世界観ゼロ。傲慢で自分勝手な西洋のハーレクインヒーローは、日本的な物語には合わないように感じる。
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