答えが見つからない問い





2020年9月19日
子供への暴行を悪びれなく繰り返す男と、その衝動を抑えギリギリで踏みとどまっている男。対照的なふたりの小児性愛者を軸に、周囲の「ふつうの人」の目線を交えながらストーリーは進む。小説なんだけど、物語というより、レポートというか、記録を読まされているような不思議な感覚になる文体で、その淡々とした感じが作品の不気味さ、被害者のやるせなさ、世の不条理さを際立たせているように思った。前者の、当たり前のように自分を正当化して被害者の子供の心情を全く省みない男の独白部分は胸くそ悪く吐き気がする。そして、今のところ犯罪を犯していない後者にも、その言動に前者との共通点があり、いつ犯罪を犯すかわからない危うさもある。どちらの男も人間的に魅力的で他者から信用もあるが、隠している裏の顔は‥。
人物の描き方がとても上手い。
性犯罪という一線を越えるか越えないかの違いってなんなんだろう?犯罪を犯さないまでも、小児性愛者にもし生まれついてしまったらその人は一生日陰で生きていかなければいけないのか?でも、子供をそういう対象に見ることは絶体肯定されてはいけないし、今の社会では性犯罪者への罰が軽すぎる。など、いろんな問題提起をされました。私にとって忘れられない小説になり、打ちのめされて読んだ後しばらくボーッとしてしまいました。
人物の描き方がとても上手い。
性犯罪という一線を越えるか越えないかの違いってなんなんだろう?犯罪を犯さないまでも、小児性愛者にもし生まれついてしまったらその人は一生日陰で生きていかなければいけないのか?でも、子供をそういう対象に見ることは絶体肯定されてはいけないし、今の社会では性犯罪者への罰が軽すぎる。など、いろんな問題提起をされました。私にとって忘れられない小説になり、打ちのめされて読んだ後しばらくボーッとしてしまいました。

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