響~小説家になる方法~
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響~小説家になる方法~

柳本光晴

読み手によって好みが分かれるかと

ネタバレ
2020年9月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず、主人公が個性的なのは兎も角、すぐに手が出る(正当防衛以外でも、即、鉄拳制裁に移行する)タイプなので、相手の指を折る、人に向けて本箱を倒す、パイプ椅子で殴る等、暴力描写が多いです。
ある意味、自分の考え方を曲げる事なく、無双する話とも言えますが……
作中世界は現在の日本、かつ、リアル寄りの日常が舞台のお話なので、周囲から見える部分に、表立った暴力描写が多目の時点で、読み手によって好みが分かれると思えます。
次に、主人公の言動の突出している箇所について、明確なツッコミ役に回る人物がいない(強いて言えば、リカさんがツッコミ役ですが、後半の卒業にて、出番が減る)ので、場面によっては、若干、バランスが取れていないように感じられるかと。
私としては、受賞小説コミカライズ許諾対決の手前辺りまでは、小説の出版に纏わる業界の話として、興味深く読ませて頂きました。
が、できれば、主人公の過去にどのような体験があって、現在の考え方や価値観があるのか?等が、もう少し明かされて欲しかったです。
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