隷属志願
」のレビュー

隷属志願

丸木文華

不完全なまま、永久に。

ネタバレ
2020年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品の魅力は、受けが子供の頃の誘拐事件の事を一切知らされず、自己防衛のために忘れているために、不完全ままずっと生きていかなければいけない悲しさと不安感に満ち溢れてるところにあると思います。攻めは人を手玉にとるのは朝飯前な男ですが、この誘拐事件以上のインパクトを受けに与えられないので、永久に完全に彼を自分だけのものには出来ず、これからも執着し続けるとこになるでしょう。
丸木先生のその後の作品と比べて余白がありすぎるのは感じますが、逆に想像がいろいろ出来て愉しくもあります。攻めは本当に受けの妻を殺したのか(私は薬漬けにして海外に売り飛ばしたと想像。なぜなら金になるから)、新井はきっと後で相当酷い目にあったに違いない、将来的に攻めは焦燥感のあまり誘拐犯をみつけて殺しはしないか、など。
とにかく受けが絶対に幼少期の酷い何かを思い出さないよう、攻めには頑張って溺愛のかぎりを尽くして頂きたいです。
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