このレビューはネタバレを含みます▼
青い瞳の能力(所謂サトリの目)持ちのタツミ×ワンコ系の若き天才科学者の蛍が織り成す、当たり前のように隣にいる存在だからこそのすれ違いラブ。そしてタツミの成長物語でもあります。
BLとしては明るく前向きな話で良かったです。恋模様のドキドキ感やエロはほとんどないですが、当て馬がいないので安心して読めました。
そして適切な距離を保ちつつ二人の背中を押した、今作MVPの北条君の何ともキャラの濃いことよw
正直メイン二人よりも好きなキャラでした(すみません)。
カバー下漫画が北条君の可愛さで溢れていて大満足です。
だがしかし!青い瞳という特殊設定をどう生かしていくんだろう?と期待して手に取った私としては、肩透かしをくらった感が否めません。
瞳の力を使ってどんなことをやらかすのかとか、逆に制御できなくなって暴走したりしちゃうのかなとか、ワクワクしていた気持ちは何処へやら。
運命に抗うわけでもなく、蛍の発明が進むわけでもなく、最終的に今までと変わらず飼い馴らされENDだったのも拍子抜け。
まさかの心の持ちようでどうにかなる問題だとは思わず、正直タイトルにするくらいなんだしもっとバケモノ感頂戴!って感じでした。
せっかくの面白い設定があまり生かし切れていなくて勿体無いなぁという印象。
まあでも亡き祖父の言葉を受け、独りにならず、蛍と共に生きていくことを選べたことは、タツミにとって何よりも価値のあることなんだろうと思うし、タツミの心の成長物語としては及第点なのかもしれません。