最後の王妃
」のレビュー

最後の王妃

白洲梓/池上紗京

ヒーローの長い片恋

ネタバレ
2020年9月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王妃となったルクレツィアの辛い境遇に最初は胸が痛かったです。それでもルクレツィアを慕う人たちもいて、それが最後に報われる形で再会出来るので良かった。ヒーローであるメルヴィンは敵国の王子で攻め滅ぼした国の王宮で王妃として一人残っていたルクレツィアに会います。凛とした強さと最後まで民を思う心、そして一人声を殺して泣く姿に心を奪われ、以降五年も想い続けています。ルクレツィアがいる村に何度もこそっと様子を見に行っていたり、具合が悪いといい医者をやったりと、五年もそっと見守り続ける純粋で一途な好青年。それを乳兄弟からルクレツィアにばらされた時の様子に笑ってしまいました。戦争だったり、クーデターだったりと、シビアなストーリー展開だけれど、二人が初々しくて可愛かった。それとルクレツィアに医者としてつくことになったティアナがすごくいいキャラ。それ以外にもヒーローの乳兄弟など脇役キャラも良かったです。出来れば続刊は二人のその後が良かったけれど、二巻は二人の子供世代の話、そして三巻は未来の話です。一巻ほど惹かれるものはなかったかなという印象。
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