星が見えない夜空だけど





2020年9月26日
何度も何度も蓋をしてやり過ごそうとするけれど溢れてしまう。文人の思いがあまりにも純粋で姉の恋人でしょう、と諭すことは誰にもしてほしくないと思いながら読んでいました。雨に降られ星が見えない夜空が暗示しているかのような叶いそうにない恋に胸がしめつけられます。きっと家族には言えないけれどそれでいいと思います。家族とは少し距離をおいて暮らしていき、そして何となく夏那さんは気づきながら知らないフリでいてくれる。幸せであることさえわかっていれば全部を打ち明ける必要はない。そんな未来を想像しています。凪良先生の作品はいつも素晴らしいんですが特に大好きな「おやすみなさい、また明日」と同じくらい読み返すと思います。あちらにもすごく好きな文章があるんですが今作にも知恵の輪に例えたところなど読み返したいところがあります。ほんとにいつも言葉にならない心をすくう言葉が素晴らしい作家さんです。

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のりこ さん
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