このレビューはネタバレを含みます▼
読み放題。読み放題の複数巻もので一巻で投げたのは初めてかもしれない。
歴史ものは和洋どっちも好きで、戦国時代も好きだったので読んでみたけど、実在武将で虚構を描くなら、もっとうまく史実を落とし込んで描いて欲しかった。
史実の政宗は13歳で愛姫と結婚しているのに、作中10代後半にはなってそうな政宗がまだ結婚してないみたいな会話が出てきて、まず引っかかった。さすがにそこは史実準拠にして、政略結婚はしてるけど、愛してるのは姉という展開でよかったんじゃないの?
そのあとも、ヒロインである姉の処女云々という話が出ているが、あの時代だと結婚するとき処女かどうかは特に重要な要素ではないんだよね。処女性が重要視されるようになったのは明治以降というのはちょっと歴史かじってれば見聞きしそうな話。戦国時代は政略のために嫁いだ娘だったりをわざわざ離婚させたのちに他へ再嫁なんてのもよくあったし、むしろ子供を産んだことがあれば跡継ぎを確実に得られると歓迎される向きもあった。
着物の帯も後ろで結ぶと逃げるときに掴まれてしまうから前結びだったというぐらい、女性には色々身の危険の多い時代。無理やり手篭めになんてことも普通にあり得たわけで、処女かどうかなんて問える環境でもない。
ここまで史実ガン無視で描くのなら、下手に政宗の名前借りずに素直にオリキャラでやればよかったのに。政宗のネームバリューが欲しかっただけなのが丸わかりで読んでて腹立たしくなった。この作者は歴史上人物をよく取り扱ってるようだけど、有名な政宗でこれじゃほかのもお察しなんだろうな。絶対読むまい。