土曜の午後のチアフル・ティアフル
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土曜の午後のチアフル・ティアフル

陸奥A子

女性マンガに近づいている。。。

ネタバレ
2020年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ うらうらか・な・そわ子さんを読みたくて購入した。
そわ子さんは親友の絹ちゃんがBFを好きだと知っても、今までの陸奥A子のおとめちっく少女マンガの登場人物のように、身をひこうかどうしようか、BFが絹ちゃんの気持ちに気づいたらどうしようか、友情と恋愛のどっちを大事にしようか、とさんざん悩んだりしない。
そわ子さんはあっさり絹ちゃんに自分の気持ちを告げる。
絹ちゃんはそわ子さんと同じぐらい想っていて、夢で名前を呼んで涙を流すぐらい好きだったのに、あきらめる。
現実がじわじわと沁みこんできて、甘いだけの少女の思いが泡のように消えて行く。友情のためでもなく、次の好きな男子をゲットしようというたくましい気持ちからでもなく。
線も内容も、初期の頃とは少し変わってきてイラストに近くなっている。美しく情緒たっぷりでも苦めのストーリーは、後の陸奥A子の女性マンガの現実の見方につながっている。
作者の「成長」という名の「変遷」をどうとらえるか。それが好きになれるかどうかの分かれ目だろう。
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