僕が君を殺すまで 【雑誌掲載版】
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僕が君を殺すまで 【雑誌掲載版】

柳沢ゆきお

主人公に共感できるか。

ネタバレ
2020年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 極刑執行までの茶番劇をリアルタイム(正確には30分の時間差あり)で放送する、という社会実験の当事者たちのお話です。
主人公は今回の執行役に選任された公務員。
彼はいったい、執行方法も含めた上記の茶番そのものについて、懐疑的であるのか否か。
システムについて盲目的に容認しているうえで、冤罪の場合のみ葛藤が生まれるのか。
その「葛藤」はどの程度のものなのか。
全てがあやふやであったと最終話で気付き、ずいぶん命の軽い話に付き合わされてしまった、と残念な読後感でした。
素手で正面から首を絞めて人の命を奪う、なんて、この程度の心理状態では不可能でしょう。
ラストで感傷に浸っている主人公に共感するのは無理でした。
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