Do Da Dancin’! ヴェネチア国際編
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Do Da Dancin’! ヴェネチア国際編

槇村さとる

トントン拍子(バレエだけど)

ネタバレ
2020年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 国内編第7巻のコンクール、ヴェネチア予選の全日本、ヴェネチア国際本選、全て最有力候補者の自滅による主人公の勝利パターン。構成が雑過ぎませんか。
お金もない、コネもない、今さら海外でディプロマを取得する事もできない、突出して容姿や技術が優れているわけでもない。
ダンサーとして出遅れた主人公の起死回生には、他に方法がなかった、という事でしょうか。
ならば最初から、振付師なり劇場支配人なり、まだ現実的にありそうな目標を設定すれば良かったのに。
2020年現在、日本出身の若い素晴らしいダンサーの方々が、海外で活躍していらっしゃいます。こんなに甘い筋書のサクセスストーリーは面白くありません。
また、作者は自我の確立した大人のダンサーを描きたかったようですが、主人公は我が強く押し付けがましいだけで、然るべき時に自己主張する成熟した人格を持っていません。その点も、現実世界のバレエダンサー達に及んでいないのでは?

と、つらつら不満を述べましたが、山崎涼子さんの書籍がデジタル配信されない現状、バレエダンサーの美しいラインを再現している漫画をシーモアで読めるだけでも、実はとても贅沢なこと。全盛期の丁寧さはありませんが、さすがに安定しています。その槇村さんの希少性に加点し☆☆☆☆。
ただ、古典を極めるにしては手の形、指の形の癖が強すぎると思います。国内編ではクラシックバレエ以外のダンスシーンもあり、さほど気にならなかったのですが。。
個人的なスタイルの好みもあるので、そこは減点なしです。
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