王妃ベルタの肖像
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王妃ベルタの肖像

西野向日葵/今井喬裕

面白い

ネタバレ
2020年10月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ベルタは第二妃の為、一巻では正妃もよく出てくる。王であるハロルドは生涯の伴侶として正妃を大切にしているけれど、後継者問題と政治的な問題とでベルタを迎えます。なので最初はハロルドがベルタに対して冷たいという感じを受けるかな。致し方ないとは思うけど。ベルタが淡々としていて冷静に正妃の動きと政局を見ているし、ハロルドに何かしら求めているわけではないので、その点はさらっと流せます。血統主義の正妃と変革を求めるハロルドの対立により不穏な空気になる王宮。その中で、ベルタと女官たちのおしゃべりが面白い。ベルタが賢く立ち回るのでそこが読んでいて爽快です。一巻ではハロルドとベルタは互いに心から信頼するには至ってないけど、主従のような戦友のような立ち位置。二巻は二人の関係がどんどん変わっていき、王と王妃、夫婦として絆を深めていく関係になっていくのでラブ要素は一巻よりは高めです。ハロルドの人間らしい面やベルタの女性らしい面が出てきて、キャラもより魅力的に、ストーリーも面白く感じました。三巻が出るのか気になるところ。今のところベルタの実家が動いていないのでそこらへんが話として出てきたら面白いなと思います。
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