大人なちっぱいの付きあい方 合冊版
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大人なちっぱいの付きあい方 合冊版

冴原ゆいと

テーマの表現はいいが、恋愛模様が微妙

ネタバレ
2020年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。
作者の前作が好きだったので、読んでみたが、正直微妙。
小さい胸のコンプレックスについての描写は非常に丁寧。作画面でもきっちり表現していて、そこはいい。胸が小さい人に似合う服というブランドの設定も設定だけでなく、ちゃんと絵として描いてるのも好感が持てる。
最後にヒーローを選んだ理由も、ヒロインのコンプレックス部分も愛してくれるから、と、コンプレックスを抱える人なら共感できる理由だと思う。
ヒーロー側の心情推移もわかりやすくて、二人の関係だけで見れば、ストーリー構成はいい感じだったのだが、そこに当て馬上司をガッツリ絡ませてしまった結果、ヒロインが悲劇に浸る二股ビッ チっぽくなってしまったのが残念無念。
しかも当て馬上司も別に悪人でもないのが。まあ、わりと公私混同タイプで、最後の最後で情熱が薄いタイプだなとは思ったが。別れてと言われていつもあっさり受け入れちゃうのがな。優しさと片付けるには微妙な気がした。
あと、ヒロイン、ヒーロー共に性的な面では、微妙な行動が多い。ヒーローはヒロインが誰かわかってて、告白もせず、会う度にセクハラレイ プだし。ヒロインもヒロインで、セクハラされたり、レイ プされてるのに、何度もヒーローと二人になると、うかつな上に意思薄弱で共感はしにくい。上司と付き合うことになっても、やっぱりどっちつかずでふらふら。いくらコンプレックスもちでも、どっちにも股を開くようなヒロイン応援しにくいわ。
テーマは悪くないし、そこだけ見ればうまく描いてるのに、それ以外の部分が本当に残念すぎる。せめて身体の関係はヒーローだけにしておいてほしかった。ヒロインはビッ チ度合いが上がり、当て馬上司の気の毒さがより増すと、ヒロインへの悪感情の方が強まってしまう。
Hに持ち込まないとヒロインの胸を上司が見れないし、あの台詞を引き出せなかったというのか? でも上司のあの台詞もなあ。ヒロインの心の決め手になったけど、相手のコンプレックスを知った直後に、この胸も好きだとか愛してるとか言える人普通いるかと思うと、あれが決め手になるのは地味にモヤモヤ。ヒーローだって初めてヒロインの胸を見たときはヒロイン傷つける言葉しか発してないし、あの台詞を出すまで十年近くかかってるんだが? と思うと前提条件がフェアじゃない。やっぱり上司とわざわざHさせる必要性はなかったんじゃないかな。
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