琥珀の夢で酔いましょう
」のレビュー

琥珀の夢で酔いましょう

村野真朱/依田温/杉村啓

クラフトビールと多様性

ネタバレ
2020年10月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 7巻まで読みました。読み始めは、クラフトビールとペアリングの魅力に魅せられて、「白熊」みたいなお店が近くにあって、クラフトビールにハマってみたいなと思う漫画だと思いました。
けれど、読み勧めていくと、「派遣」や「女性」ということ、仕事のしづらさ生きづらさ苛立ちを抱えている七菜。学生時代の女友だちが「女性だから」と進む道を閉ざされてきたこと、それに対して自分は疑問を持ちつつも彼女たちに無神経な言葉をかけてきたことを、自分が大人になって海外で仕事をするようになった時に国内外の友人から向けたれた言葉で気づく。そして、自分が今まで感じてきた違和感や苛立ちの正体や自分がこれからどうなりたいか向き合っていく鉄雄。過去の経験からお酒が怖くなってしまったなおちゃん。クラフトビールの多様性がいろんなか価値観を受け入れる理想の社会のあり方とリンクしていて、とても、面白い。
そして、7巻では隆一の話。正直、グリフさんも隆一の家族も隆一に厳しすぎない?と思う。確かに監督不行き届きかもしれないけど、お客さんの前で「もうだめだ」とも言えないし、言っちゃだめでしょ。家族も父親とおじいちゃんが亡くなって支えてきた隆一。明るく振る舞うけど、辛さもあったはず。そんな中自分を守る手段が逃避だったかもしれない。逃避癖はついちゃったり、問題を掘り下げない癖はついちゃったかもしれないけど。8巻どうなっていくかな。
クラフトビールもペアリングも人間模様も目が離せません!!すごく面白くなってきました!!おすすめです!!
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