プリンタニア・ニッポン
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プリンタニア・ニッポン

迷子

可愛いだけでない独特な世界観に魅了される

2020年10月13日
プリンタニア可愛い~!とだけ考えて読んでいたら度肝を抜かれるSF作品です。
こんなにも可愛い生き物と共生する、ほのぼのとした不思議な日常世界なのに、読んでいくうちに不穏なワードが日常生活に溶け込んでいることに気付いて、そこからはスブスブとこの謎にまみれた世界観に引き込まれました。
読者の興味のツボを押さえた情報開示構成に、作者様の見事な手腕が窺えます。
コマの隅々まで情報たっぷりで見逃せません。
そんなディストピアSF作品のような匂わせがありながらも、主人公の佐藤とプリンタニアがどこまでもマイペースでのんびりしているから、終始ほっこりした気持ちで落ち着いて読めます。
プリンタニアのもちもちの癒し成分が堪らないし、友人たちも良いキャラしていて楽しい。
背景を無視してしまえばSF(すこしふしぎ)な癒し作品に、背景を深堀りしていけば壮大なSF(サイエンスフィクション)作品にと、どちらにもなり得る素晴らしい作品でした。
次巻からもっと深堀りされていくのでしょうか。今後の展開が楽しみです。
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