ユレカ
」のレビュー

ユレカ

黒沢要

吸血鬼:哀しみの塊の二人旅の温かさ

ネタバレ
2020年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家さん。
タイトルの持つ明るさで読み始め油断してた(笑)想像以上の哀しみを背負った二人だけど、出会いから愛がありグイグイ引き込まれる温かい話良かったです(^^)v

吸血鬼半魔ステファン(ステフ)と亜種シュクレイ(シュク)

昔吸血鬼に襲われた村で、吸血鬼の子シュクは村民に幽閉され、母と二人きりで母を亡くしてからは独りで生きてきた。吸血鬼の父と同名のステフと出会い、彼に一芝居打って貰い、ようやく幽閉から解放されたシュクがステフの旅のお供を願い出て、シュクのアイデンティティを求める旅に。

二人に関係した吸血鬼達も哀しみを纏う魅力的なキャラで、人間だと思っていた母が亜種吸血鬼であったり、人に返る事を望まずシュクを手に入れた慈愛、旅先で出会った天使の歌声エドがさらりとメンデルスゾーンを唄ったりと、殺伐とした背景なのに、常に体温が流れる温かな世界観が好きです◎

日光が苦手になった属性変化後のシュクも気になる。未練が生きる希望って、人とは違う世界に生きる吸血鬼の孤独さが切なくも美しく感じる話で、寄り添える相手が出来て良かったし、アダルティな会話でニヤッ出来るオチもいい◎
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!