このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さんで、感動です(泣)
正直、攻め受けの恋愛は、攻めの手が早い割に、攻めきれずもだもだしています。相手の気持ちや状況を考えて、強引になりきれないって感じですかね。まぁ、小さな子供がいる手前、つかず離れず、踏み込み切れず、募る思い。
受けの青山は、一人で抱えきれない問題を、抱えてしまっていて、ちょっと切ないんです。最初は都合よく乃木に頼ったり、甘えたりしてる割に、何で乃木の気持ちを受け入れないんだろう?と思ってました。隙を見せるのは小悪魔系で、乃木の迫る手や口を身を任せて受け入れるのに…ちょっとズルい。
でも、青山の家庭の事情が明かされて、全てを納得出来ました。背負うものが重すぎる……ゲイである事で家族バラバラ疎遠になる辛さ。唯一の理解者のシングルマザーのお姉さんは、小さな子供を置いて、亡くなるなんて…そして忘れ形見のつむくんを、男手一つで育てる覚悟は相当なものだったはず。だけど、つむくんの存在が、青山を癒し元気づけてくれるのも事実でしょうね。
そんな癒しのつむくんに、最優秀頑張ったで賞を贈りたいんです。大人がうだうだしてる間に、小さな彼が立ち上がるんです。二人を思う天使が、健気で優しくて可愛くて、愛おしい。もう涙が出ました。つむくんの功績を称え、ここに表彰いたします。
さらに涙する出来事が……絵本の間から出てきた一通の手紙…これで青山の肩の荷も降ろせるかな…?
まさしくファミリーラブで、とても良い作品です。
終始、つむくんが何をしても可愛いんですが、おゆうぎ会のつむくんの大役が、素晴らしく可愛いんです。