このレビューはネタバレを含みます▼
同じ傷を負った者同士のボーイミーツボーイ…。
かつてバレエ界で神童と呼ばれ、上りつめて落ちたヴァシリーと、何の欲もなくクラゲのように漂うスケーターいばらの、未来のための物語です。静かな空気の流れと冷たさ、躍動感、胸から身体中に込み上げる熱さ、その場にいる観客のような気持ちで読んでいました。哲学的なところもあり少し難解かもしれませんが、踊りのように肌で感じてほしい作品です。二人が出会ったことで起こる化学反応がどんな明日を紡ぐのか、2巻で終わるには非常に惜しい。是非続きが見たいと切に願います。