蜜の島
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蜜の島

小池ノクト

死とは

ネタバレ
2020年11月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 戦後、古の文化で成り立つ閉ざされた島(村)が舞台なミステリー。古事記由来うんぬん大神島のようないわく付き、その辺りで早くも好きってなりました。
主人公らしきは2人。何かと人死にに遭遇しちゃう、状況を動かす役のお人好し君と、謎を解き明かしていく探偵役のお役所くん(知識量パない)。
そこにハイブリッド幼女も加わって、徐々に見えてくる島の全貌が面白いです。
見どころは宗教観でしょうか。そもそも死に対する概念が違う。慣習の違いも不気味だけど、それによって波状的に生じる人の行動アレコレに成る程なぁと感心しきりました。
そして細かい所をキレーに回収し、最後にビックリして終わる。腑に落ちたというスッキリ感と共に想像の余地まで残してあり、よく纏まった美味しい作品だと思います。
どうでも良いけどこの人の描く髪の質感がすき。
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