自分のことはみんな疎い

ネタバレ

2020年11月17日

このレビューはネタバレを含みます▼ 高校の同級生の渓介と櫂と航一はそれぞれ一方通行の片思いをしていて、渓介は櫂、櫂は航一、航一は女子に恋している。櫂と渓介は自分の気持ちに蓋をしていたけれど、航一の告白が成功したことで傷付き悲しむ櫂に付け入るように始まった渓介と櫂の関係。

航一と彼女の仲が進展していると知った櫂が渓介に縋る気持ち、そんな櫂を抱いてしまった渓介の気持ち、二人の苦しい心の内が見えるだけに読むのが少し辛かった。

でも、読者側からすると10年という年月の間に変わっていった櫂の心が手に取るように分かるから、航一だけでなく渓介も櫂も自分のことは疎いなとしみじみ思った。

ＢＬを読んでいると、10年を区切りに描かれる作品が割とよくあるなと感じる。本の中ではあっという間でも実際はかなり長い期間だから、そこで物語の世界から現実に引き戻されて冷めた気分になってしまうのが残念。

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かつさん

(女性/－) 総レビュー数：20件

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