最愛婚―私、すてきな旦那さまに出会いました
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最愛婚―私、すてきな旦那さまに出会いました

西ナナヲ

ヒーローの成長譚

ネタバレ
2020年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 256ページ。挿し絵無し。
まずは好みの問題で、スパダリヒーローの溺愛が好きなので、これからスパダリヒーローになって溺愛が始まる。ってところで終わった感じだったので、辛口評価です。むしろ脇役であるヒーローの従兄の方がカッコ良かったちょっと珍しい作品。
話として全く面白くないわけではないのですが、出会いのシーンとか、ヒーローがヒロインに対して「ヒロインなんか」と発言することとか、あまり気分が良くなかったです。この作品の評価はヒロインに瑕疵は無いです。先見の明のある良い子でした。ひたすらヒーローがいまいちだなと思いながら読み進めました。
話が進むと、ヒーローが養子であることが明かされますが、これもまた強引というか、昔の外国の物語ですか?っていう感じの、いわゆる《孤児の引き取り方》で、少しは養子縁組制度とか里親制度とか調べて書けば良いのに、と思っちゃいました。
さらに話が進んで、ヒーローが養子として引き取られるきっかけになったヒーローの養親の実子についての話に唖然。法治国家じゃない国の話だった。現代日本の話しとして読んでたら違ったようです!ってなります。実親の承諾無く、養子縁組が出来て、戸籍にも記されない(ヒーローの養親が実子を探し続けてやっと見つけているので、ヒーローの養親の戸籍から実子が突如消えた?)。ファンタジーにも程があります。話をドラマチックにするためにリアリティーを犠牲にすることに抵抗がある方ではありませんが、いくらなんでもトンデモ過ぎ。
ヒーローが育った施設の描写も、多分少年院みたいなところを想像されながら書かれたのではないかな、と思います。
作家さんのせいだけではなく、最終的には出版社の責任でしょうが、あまりにも無知だし、はっきり言って偏見が込められている作品だと感じました。
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