光の差すダークファンタジー

食養児が人を喰う鬼の世界から脱出する物語。
主人公は破天荒で家族愛の強いエマ。時に圧倒的な正義感は暴力のように感じます。自分の仲間を殺した鬼を許してしまう純粋さは見ていて痛々しいほどです。
そんなエマを愛して慕ってくれる仲間たちや、冒険の途中で出会った仲間たちと、辛く悲しい惨劇を共に乗り越えていきます。危機的状況で信じられない判断をするエマを信じてついていく姿は、血がつながっていなくとも家族そのものです。
憎しみは連鎖し、新たな憎しみを生みます。その呪縛から解放されるために必要なものは許しであることを、エマは物語を通して訴え続けます。
子供たちと鬼の戦いというダークファンタジーに差す愛という強い光がこの作品を温かいものにしています。