秘密 【講談社版】
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秘密 【講談社版】

木原音瀬

人はみんな身勝手だから

2020年11月29日
木原作品はいつも読むのに覚悟いりますが読んで後悔したことはないですね。この作品もすごい緊張感あります。たいていの人は好きという気持ちを濃度や重さや色など知らず区別しているところ「好き」という気持ちを迷いなく体当たりでぶつける充に畏怖に似た薄気味悪さを感じてしまう。啓太の抱える秘密もあって読んでてどう転ぶかわからなくてほんと怖かったです。啓太の心を殺した男は充が完全に殺してくれた。充という男を最初は啓太、Ⅱで榎本、Ⅲで弟の視点から語られます。人が人を完全に理解するのは不可能だけど愛することに理屈はいらないんだな、と思いました。もともと愛は身勝手なもの。少し話とずれているかもしれませんが何だかそんな感想を持ちました。
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