ミステリと言う勿れ
」のレビュー

ミステリと言う勿れ

田村由美

心にささる、しみる、きく

2020年12月5日
この作品と出会う前まで、田村由美さんといえばBASARA、7SEEDSなどどちらかといえば激しく、絶望の中から希望を見出すような作風の人だった。
でも、本作品「ミステリと言う勿れ」の主人公整くんは闘わないし、四面楚歌の状況でも淡々としている、そんな人だった。カレー好きで、どんな状況でも空気を読まないし、自論を訥々と語る不思議な主人公だ。なのに、その彼が発する一つ一つの言葉には引力のように惹きつけられる。欲しかった言葉をくれるような、かと思えば自分の世界を180度変えてくれるような、そんな言葉を。整くんのこれからを読者として見続けていきたい。
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