【単行本版】オメガ・シンドローム
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【単行本版】オメガ・シンドローム

小箱あき

なかなか練り込んだお話しでした!

ネタバレ
2020年12月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「出来上がったオメガバースの世界」ではなく、オメガバースの初期時代を描いてるお話しは初めてかもしれないですね。オメガバ自体は基本設定は変わらず後は書き手次第な自由な世界なので、こんな設定もありかな~なんて思いました。葛木の暗い幼少時代は辛いものがありましたが、父の気持ちも解からなくも無い・・ただそんなお互いの気持ちを単純に「良い話」で終わらせていない部分が、心理的にはリアルなのかな、と思ったり。貧乏ながらも父と過ごした幸せな時間が、そのまま素直に明るく成長したハルに次第に(いやホントはもっと昔から)惹かれていく葛木の「父のようにはなりたくない」という気持ちとの葛藤も、十分にコマを使って表現されているので、どの部分も素晴らしかった!結構壮大なスケールの作品でしたがその分読み応えがあって、命を育むことの大事さを改めて感じました。エロとか萌えとかのジャンルではない、です。でも画が綺麗です。ハルの透明感は美しい。
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