嫌いになれなかった

ネタバレ

2020年12月23日

このレビューはネタバレを含みます▼ 不動産会社の営業・八木橋とレストランのフロアマネージャー・君島。

仕事ができてイケメンで人望も厚い八木橋には誰にも知られたくない秘密があり、その欲を満たすために偶然を装って男性にぶつかり体を触る。これは完全に犯罪行為で、どうなんだと読み進めていくと八木橋がこんなことをするようになった理由が明かされ、許されない行為なのにどうしても嫌いにはなれなかった。

八木橋の一人称が《僕》なのも彼が抱えているものに起因していそう。キャラクター的には《俺》と言いそうなのに、あの人のために今でもいい子を演じている感じがした。

君島が八木橋に執着する理由が明かされると君島のように同性を好きになること、同性に欲情することを隠して生きている人が現実でもたくさんいるだろうなと切なくなった。

八木橋のしてきた行為でレビューは賛否両論だったけれど、個人的には作者買いして良かった。

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ロクさん

(女性/50代) 総レビュー数：149件

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