めぞん一刻 〔新装版〕
」のレビュー

めぞん一刻 〔新装版〕

高橋留美子

血の通ったラブコメ

ネタバレ
2021年1月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 子どもの頃は「響子さん素敵!」「五代くん頑張れ!」「三鷹むかつく!」だけで読んでいましたが、それでも楽しかったものです。
が、改めて読み返すと、被害者になるべくしてなる五代くんに、意外といい奴な三鷹さん、愉快犯ながらも人の幸せを後押しもしてくれた一刻館の住人達らとの軽妙なやりとりに終始笑わされます。八神やこずえちゃん、明日菜さんも含めて魅力的で人間味があって、血の通った物語だと感じます。
そしてなにより響子さん。ろくに手も握らせない五代くんのことで泣くわ、わめくわ…めんどくさい女です。でもそれが可愛くて仕方ありません。
最終盤で、「ずっと前から五代さんのことが好きだったの」と告白しましたが、読み返すと本当に驚くほどずっと前から五代くんのことが好きだったようです。
そして、具体的な説明がなくとも、彼女ならそうだろうな…と納得できてしまうところに、この作品のすごみが感じられます。
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