このレビューはネタバレを含みます▼
前作?の鳴瀬家三男の物語は未読ですがこちらだけでも楽しめました。というかものすごく名作でした。女の子取っかえ引っ変えで楽しく遊んでいた雅臣がたまたま泥酔していたが為に手を出した男の人、雪哉が本当に健気で、終始雅臣目線なのですがめちゃくちゃ泣けました。500頁近い長編ですがもう最初の方から泣けて仕方がないです。100頁くらいで雅臣が後悔し始めるのですが、お前気付くの遅いよ!!!って感じです。雪哉と同じ研究室の大田の、ダッチワイフ扱いという言葉にはまさにそれだと思わされました。都合のいい時に抱ける人形くらいにしか思ってなかったのに失ってから大切さに気付く。初めての恋に必死な様子の雅臣は好感が持てましたがそれまでの行いが雪哉の気持ちを思うと本当辛かったので苦労して自業自得だと思いました。雅臣が必死になればなるほど五つ上の雪哉の大人な様子が際立って凄かったです。さすが可南先生、圧巻の文章力でした。”愛を知る日”の雅臣浮気騒動の時の最後の雪哉のセリフが顕著でしたね。これまで散々なことをしてきた雅臣ですが惚れた弱みと言いますかこれからは(?も?)雪哉には一生敵わないと思います(笑)最後二人が本当に幸せそうでよかったです。それだけで涙出ました。