このレビューはネタバレを含みます▼
ヒーローも軽いヤンデレだけど、それ以上に、ヒロインの病的な自己評価の低さ、そして、とことん、自己犠牲に走ろうとする精神状態。
そんなヒロインの内側を分からずに、初恋に浮かれ、ヒロインの表面的な寛大さを鵜呑みにし、それが、とことん、おかしな方向に自己犠牲に走らせる要因になり、そして、事実がわかったあとも、自分が悪いと、また自己を罰する精神状態が暴走し、そして、そんなヒロインに、甘える周りの人間。
ヒロインは、ヒーローに再出発を受け入れられたことに感謝していたけど、普通の精神状態の人間からすれば、誰のことも恨まず、赦してしまうヒロインは、やっぱり病んでいて、ヒーロー目線のエピソードでの、王子の発言が、ヒロインの全てを表してて。とことん、病みきっているヒロインを誰よりも理解し、愛し受け入れてるのは、王子であり、ヒーローは、やはり、ヒロインに甘えてて。
自分の気持ちばかりを押し付けていて、ヒロインのことも、周りの人間のことも見えてなくてお子ちゃま。そして、生い立ちからくる闇のせいか、妙な色気があって、変な人ばかり惹き付けてて、それがまたヒロインの苦労を増やしてて。
ヒーローとの婚姻があったからこそ、王子とも出会えたけど、魂の理解者伴侶は、ヒーローではなくて、王子だろうに。婚姻によって、自分を救ってくれたヒーローは、ヒロインにとっては、神様のようなもので、もはや妄信の域で、まともな精神状態だったら、そこまで、ヒーローへの妄信も自己犠牲もなくて、純粋に恋愛してたら、王子が理想の相手だっただろうに。よりによって、養父の願いからヒーローを助けたのが、お子ちゃまヤンデレのヒーローだから、父親のもとから逃げれたのに、精神的な苦痛はさらに増えて。体への暴力がましなのか、精神的な異常が暴走してしまう状況がましなのか、どちらにしても、苦しみの人生のヒロイン。ヒーローのそばにいる限りは、救ってくれた神様のヒーローにどこまでも自己犠牲を払う努力をするのだろう。
そんなヒロインの病み具合をどこまで理解止められるかによって、ヒーローの人間として深さが問われる。きっと、ヒロインがどん底に落ちようとしても、何気なくいつでもヒロインを救えるように、いつまでも王子が見守っていきそうだけど。
真にヒロインを深く愛してるのは、どちらなのだろうか。ヒロインの理解者の王子か、同じ闇を抱えてると理解を求めるヒーローか