このレビューはネタバレを含みます▼
途中まで読んでしまったので、この話は一体どう終わりを迎えるのか?という部分が気になり、とりあえず最後まで読みました。
正直、読みづらかったです。
文章ではなく、ストーリーそのものが途中で読むのに飽きてしまい、時間を置いてまた気が向いたら読んで…という具合にやっとラストまで読めました。
つまらないわけでは無いんですが、面白いと感じるストーリー展開も特になく…。
作者が一番描きたかったと思われる「お姫様のキスで甦る王子」もなんだか安直というか…。
それなりに感動はしましたが、ご都合主義な印象が拭えませんでした。
シナリオも本当にややこしいんですよね。
世界の創造主である孤独な賢者(神様)に愛を試される物語、って。
壮大すぎる上に、結局その孤独な賢者とやらの"シド"が物語に登場することはなく、自己中で不明確な存在である賢者に私達は振り回されて暮らしてるんだよ、みたいな。
ちなみにシドが愛を試したいのであればあるほど、あんなにすぐ復活させてくれなかったと思います…。
読んだ結果「なるほど」と思うようなストーリー展開でもなく、ただただ作者が描きたかった世界観をぼんやりと見せられているような印象でした。
主人公が夫を2人持つことになる設定も然り。
本当に作者が描きたかっただけ。
どうせ一妻多夫設定にするのなら、これは一妻多夫だからこそ成り立ったエピソードだと読者に思わせるような何かが欲しかったです。
最後まで読んでも、別に一妻多夫とかでない普通の世界観で良かったのでは?と思ってしまいました。
異世界で愛する人を2人も見つけ、特別に夫を2人持つことになった特殊な主人公にしてしまっても良かったと思うんですよね。
この世界の人が皆一妻多夫、という設定に特に意味を感じなかったのが残念でした。
この世界にとって重要な設定でも、特に物語に活かされてはいなかったような…。
まぁシドの契約者の条件に当てはまる女性を無くす為だったのかもですが。
メインキャラ以外では一番身近な登場人物、パヅェート王子は王族という理由で普通に一夫多妻という真逆なことをしていましたし…。
一番気になったのは主人公の、自身を卑下しまくっててその自覚もある面倒くさい性格ですね。
せっかくの読書時間を彼女の独白を読むことに使いたくないなと思ってしまいました。
挿絵も、そこ?と思うようなシーンに入っていて残念でした。