このレビューはネタバレを含みます▼
タイトルの意味が読めば腑に落ちる感じ。
アスリートヒーローと職人ヒロインが出会う場面が印象的でした。この作家さんらしく北海道を舞台にした歳の差ものですが、ヒロインの仕事場の働きぶりやヒーローの気鬱にならざるを得ない練習風景とかが丁寧に描写されていて情景が目に浮かぶのが毎度の事ながら凄いなぁと思いました。そして
食事の献立がまた美味しそうで(笑)目でも楽しめるのがお約束だけど何気なくいいんです。ヒロインには待ち人がいて
その人を待つ事で自分の存在意義を見い出している部分があり、中途半端に身体から繋がってしまったヒーローに年上の
分別で理性を保ち距離を置こうとする気持ちの揺れ動きは読んでいて切なくなりました。ヒーローもアスリートとしての限界を自分で感じてどこかで決断をしなければと悩む姿は
ストイックでした。多分そうなるだろうなと思う結末にはある意味予定調和の感が否めないけれど、私はあれでよかったと思うし、それが自然の成り行きとも思いました。
ヒロインが住んでいた家が素敵で、出会いのきっかけになった手入れのされた庭も印象的でした。