世界で一番悪い魔女
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世界で一番悪い魔女

草川為

キャラクターが本当に魅力的

ネタバレ
2021年2月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 登場人物それぞれがみんな愛すべき魅力に溢れています。中でもクインタのクールに見えて実はピュアで女の子らしいところ、真っ直ぐな芯の強さは本当に素敵。教授のイケメン変人ぶりもいいし、最初は胡散臭かったりうっとうしく思えたアンブローズやニコルもストーリーが進むにつれて大好きになりました。悪役ポジションのパメラさえも不思議な温かさがあって憎めません。教授はクインタと一緒にいることで、自分らしい研究至上主義は失わないまま人を信じたり愛したりする気持ちを知っていき、クインタも教授と過ごすうちに、大魔女としての人生がただ自分を縛るだけの孤独な枷ではなくて、色々な出会いや喜びをもたらしてくれるということに気づいていく。2人の関係の進展はじれったくもありますが、お互い時間をかけて少しずつかけがえのない相手になっていくところが素敵でした。ストーリーのラスト(7巻目)に関しては、オイオイそれ重大案件だろというエピソードがサラッと解決されてしまったりとか、ジュードをもっときっぱりと日陰者の人生から解放して明るい暮らしにしてあげて欲しかったなとか、教授の研究公開で魔法使いの勢力図がひっくり返ると散々騒いできたわりに大して世の中が変わった感じではなくて、あの闘いの旅は一体なんだったんだ…と肩透かし気味だったりとか、若干すっきりしないものもありますが、それを補って余りある温かいストーリーでずっと楽しませてもらったので、★5で!
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