人を愛する気持ちの美しさ





2021年2月4日
線路を挟んだホームのこちら側と向こう側。踏切のこちらと向こう。まるでふたりの葛藤そのもののようです。駅のホームで涙をこぼす松岡が不憫で一途な思いが切ないです。女装して男の鎧を外して癒されていただけが恋に落ちてしまうとは。一方、寛末の苦しさもそりゃそうだよなと思う。偏見というより性別も含めて相手を認識しているのに違ったけど同じ人物といわれても寛末にしたら失恋と同じようなもの。木原先生の作品は「人を愛する」とはどういうことか問うような仕掛けが多い印象です。何をもって愛なのか。人によって答えは違うのにひとりでは「人を愛すること」はできない。寛末の不確かな気持ちがいつか松岡と寄り添える思いになるといいなと願わずにはいられません。

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