このレビューはネタバレを含みます▼
舞台は深川。特殊な能力故に奉公出来ず苦しむ没落武士。
そこに持参金ありの押しかけ女房が来るという冒頭。
前作に続き、不思議な能力の話ではあるけど今回は物では無く異能者の話、らしい。
というのは謎が多く1巻ではまだ何がメインテーマかわからない。
しかし、相性なんでしょうね。
無料立ち読み分半ばで、もう惚れてる。
しかも好きになる前に、あ、これ好きになるって予感。
そして案の定、惚れる。
全体もそうだけど、「良い尻だが」とか「・・・やりすぎた・・・・」、何故か好き。
微妙なブレ、ズレの塩梅、こればっかりは好み。「ゆらぎ」が好きってギャップってことなんだろうか。
好きに不思議の好きありですね。
2巻なんか、なんてことない人もいるでしょうが、私は何度も揺さぶられました。
それでいてあっさりとしたところもあり、謎もあり、自分の思い通りにならないところもあり、ジェットコースターな気分。
この後、ネタバレになるのでご注意を。
私個人の、というどうでもいいことだけど、生涯1位の漫画が記憶に関わる所があったのも大きい。
そう考えて思い出してみると心に残ってる漫画って記憶系多い気がする。
星10付けてるのは記憶を引っ張る系で半分くらいある。
そういえば、先日逝去された漫画も記憶系ではある。
まぁ鉄板って事ではあるんですけど、描き方によっては陳腐になることもあり、逆に読んでて見事に締め付けられる想いになることもある。
この作品では呪をかけられた主人公がもがき苦しむ様はグッと引き寄せられますね。
引っ張らないのは話を進める上でしょうがない。
しかし、押しかけられて迷惑だった所から少しずつ心が紐解かれこの上無い存在になる、と思ったら記憶を封印されるわけだけど、日常の一緒に過ごした一コマ一コマから少しずつ封印が解かれていく様は思いの強さを感じて見事でした。
そしてシンプルな思いの強さをずっと描いてるので、くるものがありますね。
からくりとか好きならハマるかも。
向こうは剛と望、こちらの方は柔とか艶を感じますけど、どちらも思いがシンプルなのはとても良いです。