このレビューはネタバレを含みます▼
ドラマから気になり、1巻から追いかけてきて、最終話をさっき読み終えたところです。
星名さん、幼少期の傷や体験のせいで相手にうまく自分の愛情を伝えられなかったのかなぁ。
愛を知らずに育った訳ではないと思うんです。だって、最終話でキョドコから離れた行動は、間違いなくキョドコの幸せを祈ったからだと思うから。
キョドコを手離したくなかったと思うんです、だって初めて素の自分を受け入れてくれたたった一人の女性だったわけだから。
でも、自分と一緒にいると、傷つけちゃうって分かってたんですね。だから手を離した。それってもう愛じゃないのかなって。
キョドコのお母さんの接し方は、キョドコの人格形成に大きな影響を与えたかもしれない。ただキョドコの今後を思うと、厳しくせずにはいられなかった彼女の気持ちも分かる。おっとりしてて、要領悪くて、自分とはタイプが違う娘。母親の自分がいなくなったら、誰も助けてくれないかもしれない。妹みたいに世渡りもうまく出来ないだろう。母親の私が、この子が周りに迷惑かけないように、しっかり生きていけるように導かないと。そんな気持ちもあったのかなと思います。それもいびつではあるけど、愛情だと思った。キョドコに優しく接することが出来ない、正しい形で愛を伝えられない母親も、辛かったと思う。
愛情って難しいですね。渡すほうが正しい形で渡さないと愛には見えないし、正しい形で渡せたとしても受け手が歪んでれば愛情として受け取ってもらえない。
そもそも正しい愛情ってなんだって話になるし。
ただの恋愛漫画ではないです。愛について、親子について、男女の仲について、いろんなテーマがある。みる人によっては、もっとたくさんのテーマが隠されてるかも。
そのテーマで葛藤を抱えてる人は、読んだら府に落ちることがあるかもしれません。
たくさんの人に読んでほしい作品です。