このレビューはネタバレを含みます▼
小さい頃、義母に痛めつけられていたオーウェンは立ち向かうすべもなく、怒りや悲しみや絶望を抑え込み、壊れていきます。他人に無関心だったオーウェンが仕えることになった王太子 アンドレアスと妹姫 フェリシアだけが自分の世界の中心となっていきます。二人を守るためなら殺人さえも厭わないオーウェン。そしてフェリシアへのその忠誠心は執愛に変わっていきます。フェリシアから見たオーウェン、オーウェンから見たフェリシアが丁寧に描かれており、二人の切ない思いに胸が苦しくなります。オーウェンの正義は万人の正義ではないけれど、かと言って責め立てるにはあまりに不憫でした。やっと思いが通じたこれからの二人には幸せになって欲しいです。