夢の端々
」のレビュー

夢の端々

須藤佑実

心が締め付けられます。

ネタバレ
2021年2月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自分が男だったら…、そんな事を何度考えた事でしょう。どちらかが男性として生まれ、出逢えていたら…当たり前に出来ただろう結婚、皆からの祝福、家族になるということ。今のこの多様性に富んだ世の中であれば、この2人は一緒になれていたのかもしれない。しかし、時代が許さなかった。主体的に働いて自己実現、やりたいなりたい自分に向かって一生懸命になれていただろうに…時代が、早かった。そして、自分と望む姿と己の能力の現実を知った挫折感。暗闇しか、敗北感しかない生の中、ただ1つの光、生きる意味、糧、それが彼女だった。ミツだった。
どちらかが男であれば…ではなく、2人とも女だったから、出逢えた。惹かれ合った。ただそれだけ。
胸が締め付けられて、痛いけど…最後に救われた感じです。
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