悩殺的な愛に溺れる ―どうしようもない私たちの痴的な恋煩い―【書き下ろしSS付】
青井千寿/三廼
このレビューはネタバレを含みます▼
作者さん買いでしたが、作者さんの描くオタク、フェチ、愛好家の世界が面白くない訳がない!いつもながら変態領域の表現は素晴しいです。軽妙な言い回しでありながら、これでもかというくらいしっかりとスーツ愛を語る朋香にニヤニヤが止まりませんでした。朋香に負けず劣らず自分好みの女性に育てることに喜びを見出している聖。二人は性的嗜好の一致から奇妙な契約を結びます。そしてめくるめく変態領域の世界が始まります。スイッチが入った二人の情事の様子は鋭利な刃物でも突き付けあっているかの様な緊張感がありましたが、お互いを知るにつれ、違う感情を持ち始めます。朋香の聖が妹からシスコンと言われたことに対する解釈に愛を感じました。しかし、二人は好きだと言ってしまったら、全てが終わってしまうかのように思い詰め、これまたずっと息を詰めて読んでしまうような緊張感がありました。そして、やっとやっと辿り着いた二人の結論に、こちらもようやく深呼吸が出来るようになりました。面白かったです!
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