心を半分残したままでいる
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心を半分残したままでいる

砂原糖子/葛西リカコ

心を半分残した場所へ

2021年2月16日
読んでから気づいたんですが「猫屋敷~」の作家さんだったんですね。まるで違う感じでこちらもすごく良かった!ミステリーのような面白さもあり静良井と中上の運命的なひかれあう思いがどうなるのか知りたくて読むのが止まりませんでした。2巻で一度過去にもどり3巻で全て明らかになる構成も良かった。全てわかってから1巻を読み返すと中上は何度やるせない気持ちになったことかと…。思い出がなくても生きていけるけれど愛された記憶がないのはやはり自分の存在に自信が持てないと思う。静良井が母親との思い出を忘れこれからも過去に起きたことを知るということを繰り返すのかと思うと辛い。だからやっぱり病を利用するような久遠のしたことは私は許しがたいな。カナリアとコーヒーと遠くに見える海と。そこに中上の途切れることのない愛情があることを忘れない日がきたらいいなと思う。心を半分のこした場所へいつもいつも帰ってこられるように。
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