図書館の魔女
」のレビュー

図書館の魔女

高田大介

いろいろな人に読んで欲しい!

ネタバレ
2021年3月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 文庫版発売時に繰り返し読んでいます。入院中にどうしても読みたくて電子でも購入しました。ラノベみたいな読みやすさはないです。魔女とタイトルにあるけど魔法は無し。山育ちの少年と声を持たないおしゃべりな少女の出会いで始まる、ここではない何処かの物語。図書館の魔女ことマツリカ様は唖者だけど、手話がめちゃくちゃしゃべるのです。かなり毒舌。声の代わりを勤めることになるキリヒト少年がマイルドに翻訳すると、マツリカ様はキリッと睨んだりして。この2人を軸にして、濃密な文化史が語られたり、国際政治的な陰謀があったり、幾つかのエピソードが束ねられて最後には思いもよらない結末に向かいます。物語の終わりは閉じられるのではなく旅立ちなのが素敵。予想のつかないストーリーが面白いのはもちろんですが、文章が綺麗なのでおすすめです。
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