空と海のあいだ
」のレビュー

空と海のあいだ

松尾しより

切ない

ネタバレ
2021年3月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昔単行本で全巻持っていてもう一度読みたいと思いこの作品を購入しました。だけどどうしてだろう、前はあっという間に読み、何度も繰り返し繰り返し読めたのに今回は3ヶ月かかってようやく全部読み終える事ができました。最初の頃の一臣さんと美津子の幸せな所までは早かったけど赤紙がきてからの後がなかなかページを開くことができず、結末を知っているだけに読み進める度に胸が苦しく涙なしにはとても読めない。だけど20代の頃には感じる事ができなかった命の重さや生き方、愛や家族の在りかた、戦争がいかに人の心を蝕む程に残酷だったか等とても考えさせられる最良の作品でした。だけど改めて読み直して、バットエンドだと若い頃は解釈していたが実はハッピーエンドであったと思い直しました。だって最後は一臣さんや美津子が助けた人(子孫)の手により二人は再会し永久に一緒になれたのだから。
とても重い題材だけど、簡単に読んでとは言えないけれど、この愛する作品がいろいろな人に届いて欲しい。そして今一度こんな人との希薄な時代だからこそ考えて欲しいと思いました。私は永久にこの作品を愛します。
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