君が好き
」のレビュー

君が好き

田崎くるみ

タイトルと違って全く甘くない内容

ネタバレ
2021年3月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 史上最強と思える程の女々しさを持つヒーロー。自分は散々女性たちを食い散らかし、泣かした女性も数知れず。なのに初恋に破れた位で触れるのも無理な位に女性嫌いになるって。女々しくも最後に触れた元彼女の感触匂いなど全てを忘れたくない、他の女性の手の感触であっても、上書きされたくないという女々しさ。自分が泣かしてきた女性の数を思えば、振られてもざまあみろとしか思えないクズだったくせに、いざ自分がたった一度傷つけられたからといって十年もメソメソ。そしてそんなヒーローをなぜか好きになってしまう可哀想なヒロイン。嫌いな奴だったからこその笑顔のギャップに萌えたのだろうか。最底辺からは浮上するしかないからなんだろうけど。周りから好かれまくりの外見も中身もいいヒロインなのに、よりによって好きになったのがクズヒーローとは。ヒーローの友人達は友人の立場からヒーローに同情を寄せて立ち直ってほしいと願いヒロインをけしかけてたけど、ヒロインの幸せを願うのなら、けしかけてはダメだったと思う。ライバルから友人へと変化した同僚女性が最後までヒロインの男の趣味を疑ってたけど、第三者目線としては至極当たり前の見方だと思う。十年もかけてメソメソして、やっとヒロインを好きになって恋人になったくせに、あっさりと元彼女に揺れまくって。一応お断りしてたけど無理してるのがバレバレで泣かされるヒロインが可哀想過ぎて。なのに健気にヒーローの幸せを考えてあげてその結果の自分の幸せを無視した結論を出して一人になったヒロイン。そんなヒロインを追いかけることも出来ずにヘタレて、そして音信不通のヒーロー。三年もかけて元彼女をやっと過去にして帰国。そこでも自分では勇気がなくて、まだ一人のヒロインの気持ちを思いやったヒロイン友人女性のアシストにやっと告白。バカすぎてアホ過ぎてヘタレ過ぎて女々し過ぎて反吐が出るクズヒーロー。作者がヒーローに据えたからこそヒロインとハッピーエンドなんだろうけど、読み手としてはヒーローを八年も思い幸せだったのはたったの数ヶ月というヒロインを幸せにしてくれる男性を登場させて欲しかった。皆が新しい幸せに踏み出してる中でヒロイン一人過去の中。どれだけヒロインを泣かせれば気がすむのだろうか。最後の告白すら自分の為というクズぶり。一度もヒロインの幸せを考えたことがない自分勝手野郎。元彼女と同じ自分本位人格。
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