花降る王子の婚礼
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花降る王子の婚礼

尾上与一/yoco

痺れました

2021年3月23日
悲しい運命を背負ってしまった王と王子のお話です。自分の運命を受け入れ、自国のため覚悟を決めて輿入れするリディルが健気。でも弱いのではなく、守られるだけではなく、王子としての矜持や判断力、行動力はカッコいいです。父の所業のせいで酷い呪いをかけられたグシオンも本来おおらかで愛情深い人で、2人が惹かれ合うのも納得です。なのにすれ違った2人が悲しく、鼻の奥がツーンとなりました。2人の部下であるイドとカルカもとっても良かったです。主人の宝は従者の宝…素晴らしい忠誠心でした。リディルの国の人たちは父王含め皆んな良い人なので、リディルの真っ直ぐさはわかるのですが、グシオンは残忍な父王のもと生まれ、呪いまでかけられたのに、素晴らしい王になっててエライなー(語彙力…)340ページ超の長編ですがあらゆる伏線が丁寧に、時には意外に回収されていき、どんどん引き込まれて冗長な感じは全くしませんでした。
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