このレビューはネタバレを含みます▼
麻々原先生の絵が好きで、その小説はつい読んでしまうのですが、
ナツ之先生の小説は初めて拝読させていただきました。
307ページと結構長編だったのですが、それは読み終わってから
気づいたもので、面白くて夢中になってあっという間に読んでしまいました。
「社長」「子育て」とあるので、スパダリ社長に子供が預けられて
それを主人公が助けて恋に落ちるのね・・と思って読み始めていたら、
え、「近未来もの?」「SF?」と驚きました。
舞台はアンドロイドが普通に人の生活を手伝うような近未来でした。
といっても、とっつきにくいこともなく、そこにいる人達は普通の人間模様です。
蝶のように花から花へと恋人の女性をころころ変えていくSクラスの美しい社長と
社長に尽くすことを生きがいにしている仕事は完璧なGクラス(階級への卑屈ちょっぴりアリ)の秘書が社長に片思いしているというストーリー。
そこに社長の実子である娘が突然やってきて二人の関係が思わぬ展開になっていくのです。
このお話は「近未来」であることが色々、その後のお話に効いてきます。
そこがすごくこのお話の面白いところだと思います。
超合理的に優秀な遺伝子を生み出しアンドロイドが育てるハイテクの街で育ったSクラスの社長と、現代のように人が産み育て環境とともに育てていく「郊外」出身のGクラスの秘書との環境・身分違いの恋と子育てが、二人に何かを生みだしていきます。
子育てBLのほのぼの・・とはまた違いますが、
他にはみたことがない子育てSFBL(?)なので、
ファミリーBLが好きな方、異世界BLが好きな方、普通のBLには飽きたよーという
方にはオススメです。