涙、涙、涙です。

蛇属であるキリエは他の獣人とは違い耳が人間と同じで尻尾も無ければ角だって無い。その姿はまるで神を型どって造られたイブのよう。ずっと神からの赦しと同時に愛を求めていた階級が奴隷属になるシグレにとって初めて見るキリエの姿は神の御使いに見間違えたのかもしれない。今まで欲していた神(に近き者)が型どって目の前に現れたことで人間の貪欲さが出てきて堕ちていく様が凄かったです。初めて神以外を、キリエを愛しキリエの愛を得るために神への忠誠心を捨てたシグレは楽園を追放されたアダムのようでした。“ああ、私たち人間は神を裏切ったアダムとイブの子孫なんだな。”と感じさせます。 御使いの天使ようでイブのようで実は罪深き蛇のキリエは産まれた時から神に見放されていても自分の運命を受け入れ見返りを求めず神を愛し続けた。そんな愛しか知らないキリエにとって自分の命を差し出してでも助けようとするシグレの自分への愛を初めて知ることで神以外を信じ愛することが出来た。愛する人を救うためにお互いに己を犠牲しているけど、これは犠牲愛では無くて無償の愛だと思います。貪欲だろうと傲慢だろうと神はあなたを愛し赦している、あなたも私のように他人を愛し赦せよ………。支離滅裂なレビューですみません。 とても感動するお話でした。エチはありますが少なめでお話重視です。エチでも愛を求めているのでエロくなくて切ない感じでした。