極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る
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極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る

刻一/MIYA*KI

3巻まで読んだ感想

ネタバレ
2021年3月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3巻まで読みました。日本人(地球人?)複数転生というのは好みではなく、購入を躊躇いましたが、値下げしてたのと試し読みで続きが気になったので購入してみました。
文章は丁寧だと思います。心理描写や情景描写なども細かく表現されていて好感が持てます。あと男性向けラノベに非常にありがちなチート、ハーレム(巨乳+下品な衣装)、ご都合主義、がないのが凄く良いです。ああいう展開になると気持ち悪くて読むのを断念してしまうので、それだけでも当たりだと思いました。主人公の慎重な性格も○。
ただ気になった部分も。やや余計とも思える説明文が所々に見受けられます。例えば1巻にあった幸運の女神の前髪の部分なんかも、サラッと一文で済んだのではないかと。長々説明されなくてもそれくらい知ってるよ…と思わされてしまいます。こういう蛇足、あるいは心理描写の重複とも思える箇所が時々あって、軽い疲労感を覚えつつ飛ばし読みしてしまう事もありました。もう少し読み返してスッキリと絞って欲しかった。あと個人的に、今のところ魅力的なキャラクターというのが存在しません。エルフのお姉さんがいる冒険者グループはちょっと良さそうでしたけど、すぐ別れてしまいましたしね。すごく好き!と思えるキャラがいないので作品に愛着が持てないというのもあります。
それともう一つ気になったのが、最初のダンを助けた時なんですけど。この世界って不便極まりなく、警察のような機関も存在しないから親戚しか雇えないような殺伐とした世界なんですよね。冒険者も実力主義の弱肉強食。という事は自分の力は決して安売りしないのが当然という意識が根付いているはずなんですが…。主人公にアッサリ命を助けてもらった彼らはそれをどれほどの事として受け止めていたんだろうかと思うのです。後で親父さんから武器は貰いましたけど正直「ええ…それだけ?」みたいな。仲間に引き入れたからお礼だけで済ませたの?本来なら金貨数百枚程度の貢献だったんじゃないですかね?だって力を安売りしてたら生きていけない世界なんだから、冒険者は特に。助けてもらって当たり前な平和ボケした日本人じゃあるまいし。
そこのやり取り…というか「意識」的なものが気になりました。この世界観と彼らの平和(?)さが妙にちぐはぐで、なんだかその辺もモヤっとしました。
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