未亡人ではありません！～有能王太子様の（夜の）ご指南係に指名されました～
栢野すばる/氷堂れん
このレビューはネタバレを含みます▼
王太子25歳×元侯爵令嬢（騎士の妻）20歳。13歳と8歳で出会ってから六年経ち、ヒーローの留学を前に内々で婚約した二人。留学している一年の間、怒涛のように不幸がヒロインを襲う。両親の事故死、叔父夫婦による侯爵家乗っ取り、婚約解消通知と15歳のヒロインでは耐えきれない出来事の数々。オトメン従兄との偽装結婚に救いを求めたのは仕方ないと思う。一方、ヒーローは留学先からヒロインとの婚約継続と保護を求めたにも関わらず、願い叶わず傷心のまま。結婚を急かされることに対し、自分を種馬のように感じて家族と距離を置く。五年後、ヒーローの二番目の姉とヒロインの夫、破天荒な二人の行動に巻き込まれて再会するが…。従兄の秘密を守るために空回りしまくるヒロインが気の毒だった。“閨事指南”といってもキスすら未経験の二人にはハードル高し（笑）大好きなヒロインに不倫関係を強いたと窶れていくヒーローが切ない。それにしても、行方不明だった従兄が五年前のあれこれを調べて、黒幕と陰謀を暴いたのは圧巻だった。カミングアウトして偏見に立ち向かうことにしたのは、とても勇気がいったと思う。ヒロインを陥れたライバルの侯爵家の罪状を明らかにし、形式上は離婚となる彼女との結婚を法的根拠をもって認めさせたヒーロー。可愛い子供にも恵まれてよかった！
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