このレビューはネタバレを含みます▼
1冊丸ごと表題作。188ページ。あらすじ通り､大和(白髪)が攻めで､無我(黒髪)が受け。他サイトで2017年7月に購入。Hシーンも何回か有るが､かなりのストーリー重視で､万人受けするBLではないと思う。しかし個人的にはとても心に残っている作品。購入して4年程経ちましたが､なかなかこの作品を超えるBLに出会えてないです。私は､BLファンタジーよりはリアリティのある､受け攻め共に見た目も性格も男性的な､そして登場人物の背景.性格.生き様を描いてくれるBL(人間ドラマ的なBL)が好きなのですが､なかなか無いんですよね､そんなBL。でも､コチラの作品はそれらを全て満たしてくれて､凄く読み応えを感じた作品です。1読目はホスト描写.ホスト用語に気を取られて､イマイチの読後感。しかし､2回.3回…と読み返してみると､フーコーとか､性自認と性的嗜好と性癖はセットぢゃないとか､家族の声が消えちゃった…とか､大和の腕のタトゥーの意味とか､作者様のさりげないメッセージが､ザクザクザクと私の心に突き刺さり暫くフリーズ状態に…。BL部分もさりげない曖昧な表現なのですが、この2人はお互いを求め合っているんだろうな…癒し合っているんだろうな…と萌えキュン状態w。 大和も金銭的にカツカツなのに､無我にお金を貸したり(マンションを所有しているので､それを担保にお金を借りて貸すコトは可能だとは思うが､あの段階で大金を貸す大和が優しく凄すぎて…)､ Hシーンがイマイチ萌えない…と､気になる部分もあったのですが､知的好奇心をくすぐるリアリティのあるBLで、とても面白かったです。そして2人共､闇や問題を抱えながらも､優しく頑張っていて､人間性が良い所も良かったです。
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