このレビューはネタバレを含みます▼
『理想の上司とする恋は』のお話では、お仕事系BLでわりとあっさり可愛い恋でしたが、ガラリと印象が変わります。作者様の力ってすごいですよね。
αに恋の横取りばかりされて、すっかりα嫌いになったβ伊折。絶対ないと思っていたα竹尾との関係。身体から始まった二人に恋が訪れた時、運命の番でない二人の恋がどうなるのか気になります。
自分のバース性のために、恋する事に臆病になったり、諦めにも近い感情で自分の気持ちに蓋をする伊折が切ないですね。セ＊レである事を自分に言い聞かせるように、竹尾とので関係に一線を引いてしまう…でも抑えようとすればするほど、深みにはまっていくのがよくわかります。
竹尾はスパダリのように伊折に尽くし、何故そこまで伊折にこだわるのか…
αが運命のΩと番う事が当たり前の事としてとらえ、『人を愛する』という感情が欠けていた竹尾が哀しくて、バース性に囚われていた過去が辛いです。
伊折との出会いで、運命だとか発情期だとかそういうものなど関係なく、バース性にとらわれない愛情を取り戻した竹尾が良かったです。
互いにただ純粋に、恋に落ちた二人。
穏やかに過ごす二人が優しい空気をもたらして、何年経っても竹尾は伊折にベタぼれなんだろうなぁ。エチエチも幸せそうでキュン。
最終回、最後の２ページがとっても素敵です。
いい作品に出会えました。
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